保険の見直しは最近流行になってきましたね。
そこで保険の入り方や見直しについて考えてみます。
【保険会社を利用しよう】
保険の加入や見直しに入る前に、保険についての前提知識のおさらいです。
(1)日本人は保険大好き(保険料を払い過ぎ)
- 日本人は80%以上が何らかの生命保険に加入しているそうです。貯蓄に回すお金がなくても、保険には加入している人が少なくないようです。
- ついつい多くの保険に加入して「安心」している感がありますが、「安心」を買い過ぎているとも言えますね。なぜなら必要以上の保険に加入していることは即ち、「不要な(払う必要のない)保険料を払っている」ことにほかならないからです。
- これが「貯蓄できない」理由のひとつになるわけです。
(2)保険会社を賢く利用しよう
- かくいう私もそうですが、これをお読みなっている方々も自分なりに保険商品をリサーチして、選んできた来たはずです。何を間違っていたのでしょうか?
- それは「保険商品の選択方法を理解していなかった」ことに尽きると思います。
- そのため、知識不足から、すすめられるままの保険へ加入したり、上手に商品を選べなかったことに繋がったように思います。
「なんとなく保険を選ぶ」のでなく、「保険会社を利用して必要最低限の保険を選択する」くらいの気持ちで臨むようにしましょう。 - その一環で保険アドバイザーに相談するのもひとつの方法だと思います。
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【保険で見落としがちなこと】
日本人はついつい多くの保険に加入して「安心」している感がありますが、一世帯当たりの年間保険料はどのくらいになるのでしょうか?実に平均41.6万円にもなります。(生命保険文化センター調べ:平成24年度)
もし、この金額を30年払い続けると1200万円を超えるほどの金額になります。1200万円と言えば、中古マンションくらいは手に入るかもしれない金額です。
よく「保険貧乏」なんて言葉を耳にすることもありますが、これだけの金額の保険料を支払っていると、「いざ」と言うときに支払う余裕がなくなることもしばしばです。
「その「いざ」というときの保険だろ?」とお考えになるかもしれませんが、つい見落としてしまう罠というか盲点があるのです。
・見落としがちな注意点
確かに保険は「いざ」というときのために加入しているのですが、死亡した時や入院したときなどの「契約に定めた事態」にならないと支払われません。
例えば「ボーナスが出ない」「失業した」「子供の予備校費用に数十万円かかる」などの事態に対しては保険からの給付は全くありません。
「いざ」というときのために加入している保険について加入すればするほど、家計は苦しくなるばかりという悪循環に陥ることもしばしばです。
もちろん、学資保険などの商品もあることはありますが、上記のリスクや出費全てに備えることは難しく、自動車や教育費の不足分についてローンを組む場合は老後資金を圧迫することもしばしばです。
保険に加入するときや保険の見直しを行う際には、想定するリスクや出費について十分な検討が必要と言うことがおわかりいただけるのではないでしょうか。
その一環でリスクの想定や保険の加入、見直しについて保険アドバイザーに相談するのも、有効だと思います。
【どんなリスクを想定するのか】
さて、保険に加入するときや保険の見直しを行う際には、想定するリスクや出費について十分な検討が必要ということは理解できましたが、では、どんなリスクを想定すべきなのでしょうか?
(1)保険に入らないという選択
- 「えっ?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、そもそも「保険」とは貯蓄では不足してしまう出費が必要となる「不測の事態」に備えるためのものです。
例えば「終身保険」は一生涯の保障で貯蓄性の高い保険と言われています。確かに必ず保険金を受け取れるので「葬式代」や「途中解約による老後の資金としての活用」もあり、と保険会社は宣伝していますよね。 - でも、「歳をとってから死ぬこと」は「不測の事態」でしょうか?
つまり、「歳をとってから死ぬことは不測の事態ではないから、(そのために)終身保険には加入しない」というのは、正しい選択だと思います。
(2)不測の事態とは何か
今回の「どんなリスク想定するのか」とは、言い換えれば「不測の事態」はなにか?ということになります。
生命保険を考えるとき、「不測の事態」とは「早すぎる(若すぎる)死」を指します。そもそも人は必ず死にますし、統計によれば2人に1人はガンにかかると言われています。
つまり、「歳をとってから死ぬ(平均寿命を超えて生きる、くらいの意味ですかね)」ことができない=「早すぎる死」が「不測の事態」ということです。
しかし、多くの人はは負担した(つぎ込んだ)保険料が全くの掛け捨て(=回収できない)保険を避け、必ず回収できる(もらうことができる)保険(=終身保険)を好みます。
なぜなら、「徳をした気分」を味わうことができるからですね。あるいは老後は入院の可能性まで考えると、医療費が高くなりそうなので「ガン保険」や「医療保険」に目が向くわけです。
つまり「歳をとってから死ぬこと」や「ガンにかかること」は不測の事態ではなく、想定しなければいけないリスクということですから、「保険に頼らない」という覚悟を持つことも必要ということです。
(3)貯蓄でカバーできない部分に対処するのが「保険」
以上から保険に入るときは「必要最小限にする」ことを含んで検討するようにするのが良いと思います。つまり、貯蓄が対処できない分野こそが保険で賄うべき、ということです。
例えば子供が就学中(未成年)のときの親の死亡などが代表的です。子供1人につき、教育費等で2000万円くらい、必要ともいわれています。
このようなリスク(=不測の事態)にこそ、保険が適用される分野です。
要するに不安なこと(=あらゆるリスク)を全て保険で解決するのでは、貯蓄などおぼつかない、ということになります、保険を上手に「利用する」ことを見極めることが大事ということです。
リスクの想定や保険の加入、見直しについて保険アドバイザーに相談するのも、有効だと思います。
【将来価値は予測不能】
さて、ここで違った視点で考えてみましょう。
数十年先の経済情勢はインフレでしょうか?それともデフレでしょうか?
「そんなの分かりっこないよ!」という声が聞こえてきますが。
将来価値はどうでしょうか。
(1)将来の物価は誰にも予想できない
- 保険と言うのは基本的に「超長期の固定金利金融商品」です。なぜなら将来、受け取る保険金は契約時に決まっているからです。物価の上昇や下落に対応するものではありません。
例えば以下の例で考えてみましょう。 - 40歳の男性が500万円の終身保険に加入したと仮定。
- その場合、60歳までに支払う保険料は16000円/月 程度。
- ⇒ ¥16,000 × 12か月 × 20年 = 384万円
- さて、単純に見ると500万円 - 384万円で116万円の「利息」が付く感じですが、これは「徳」でしょうか?
- 平均余命で考えれば日本人男性の平均寿命は81歳。というわけで41年後に受け取る「500万円」の価値を考える必要があります。最近はアベノミクスで「毎年2%のインフレを達成」と政府も日本銀行も目標にしていますが、なかなか実現が難しい状況です。
- 仮に毎年2%のインフレを達成した場合は500万円の価値は半分になってしまいます。(まあ、実際は2%のインフレを毎年達成できるか、難しいところもありますが)
(2)40年前の物価と比較
- インフレでモノの価値や物価がどれくらい上昇するかはモノやサービスによって異なるので、視点を変えて40年前の物価を現在と比較してみたらどうなるか、見てみましょう。
- 少し古いですが、総務省発表の平成25年と40年前(=昭和48年)の消費者物価指数から見てみましょう。
昭和48年(1973年) | 平成25年(2013年) | |
消費者物価指数 | 719.5 | 1734.8 |
⇒ 1734.8 ÷ 719.5 = 2.41
平成25年は昭和48年の2.41倍の物価となっている。
∴ 500万円 × 2.41 = 1,205万円
(当時の500万円は今の1205万円に相当する価値と言うこと)
当時は高度成長経済の時期でもあったため、全部を適用できませんが、今後も同様と考えれば40年後には
500万円 ÷ 2.41 = 207万円
・・・384万円の負担に対して207万円の価値しか戻ってこない計算もありえるわけです。
こうしてみると死亡保険は「終身保険」よりも「掛け捨て」のほうが賢い選択と言うことになりますね。
ただし、「貯蓄」がなかなかできないので「終身」や「貯蓄型」の保険を選択する人もいらっしゃいますので、必ずしも「終身保険」や「貯蓄型保険」を否定しているわけではありません。(念のため)
上記の点も含めてリスクの想定や保険の加入、見直しについて保険アドバイザーに相談するのも有効です。
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