民間施設の2番目に紹介するのは「住宅型有料老人ホーム」です。
民間施設である有料老人ホーム全体で60%を占めるのが「住宅型有料老人ホーム」です。その「介護の充実度」は千差万別と言ってよく、施設ごとに料金体系や提供される介護サービスが大きく変わってきます。
月額10万円以内の安価なところから超高級まで
実は「有料老人ホーム」は介護の必要度合いに応じて、以下の3つに大別されます。
- 住宅型有料老人ホーム
- 介護付き有料老人ホーム
- 健康型有料老人ホーム
上の3つのうち、「健康型有料老人ホーム」は全体の1%以下と極端に少なくなっています。その点で親のこれからを心配して、子供が検討するには、その選択肢になりにくいのが実情です。
本稿で紹介する「住宅型有料老人ホーム」は有料老人ホーム全体の60%程度を占めています。(残りの40%が「介護付き有料老人ホーム」となります)
「住居型有料老人ホーム」は介護保険の「特定施設入居者生活保護」の指定を受けていませんので「介護付き」「ケア付き」を表記することはできません。
その代りに介護・看護職員の配置基準も特に決まっていません。
基本的には、食事のサービスと緊急時の対応などの日常生活の支援、レクリエーションを提供しています。
このため、入居要件は「要支援」、「要介護」に関係なく入居可能となっています。
また、月額料金に介護費用は含まれないので「介護付き有料老人ホーム」より、総じて低めの料金体系となっています。
「住宅型有料老人ホーム」では、健康なうちから施設に入居する人もいて、60歳から入居可能にしている施設が多いのも特徴の一つよなっています。
なお、入居のための価格帯は幅が広く、家賃、食費、基本サービス込みで初期費用が0円、月額10万円以内の安価な価格設定をしている施設もある一方で、数千万円~数億円などの超高級施設まであります。
検討の際は施設およびサービス内容と料金との関係について、相応の時間をかけて、慎重になるべき施設と言えます。
介護の充実度は千差万別
「住宅型有料老人ホーム」は、かかる費用が施設ごとに(言葉は不適格ですけど)「ピンからキリ」までとなっていますが、施設ごとに異なるのは費用だけではありません。
ケア態勢や介護の充実度も施設ごとに大きく異なります。
「住宅型有料老人ホーム」の「人員配置」にも基準はありません。
このため、「介護付き有料老人ホーム」と変わらない態勢を有する施設がある一方で、重度な介護を必要とする状態になると住み続けることが難しい施設もあります。
介護については、同じ敷地内に介護サービスを提供する関連事業者が入っている場合が多く、介護を受ける場合には、施設とは別にその事業者と任意で契約を締結することになります。
「任意」と書きましたが、介護サービスについては、他の事業者と契約することが可能となっていて、例えば親御さんの自宅の近所の施設の場合、これまでのケアマネージャーに引き続き依頼することもできます。(これは施設側としては必ずしも歓迎できないこともありますが、施設側は拒否することはできません)
介護にかかる費用は、施設に支払う月額料金とは別に介護保険の自己負担分に当たる全金額の10%~30%程度が必要となります。
このため、介護の必要度が高くなると、介護保険の限度額を超えて介護サービスが必要となり、追加料金が発生し、結果的に、「介護付き有料老人ホーム」より、割高となることもあります。(検討する際は慎重にならざるを得ない点の一つです)
住宅型老人ホームの特徴をまとめると・・・
「住宅型老人ホーム」の特徴をまとめると以下のようになります。
【まとめ】
「住宅型有料老人ホーム」は自立した健康な方、要介護度が比較的軽度の高齢者向きの民間施設
- 低コストのところから高コストまで幅広い
- 介護保険は、個別に契約して「居宅サービス」を利用する
- 通常、比較的元気な方を対象としているが、要介護5でも受け入れてくれるところもある
- 認知症に対応しているかどうかは要確認
- 看取り対応してくれる施設は少ない
- 介護・看護職員の配置基準はない*
- 個室が多いが、多床室(相部屋)もある
- 全国どこへでも申し込みが可能
- 申し込みは直接施設へ
*「有料老人ホーム」全体に占める「住居型有料老人ホーム」の割合は60%となっています。
人員配置基準はなく、ケア態勢はさまざまなので、入居検討の際は慎重に判断されることをお勧めします。
・・・以上が「住居型老人ホーム」のご紹介でした。
ご参考となれば幸いです。
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